ニュージーランド縦断サイクリング1975.12-'76.1

「行った、銀輪走(走った)、見た、知った」……そして残った/サイクリングで駆け巡った彼との45年間

[35]キングストンまで約20kmのワカティプ湖畔 ⇒ キングストン ⇒ フェアライト ⇒ ラムスデン ⇒ ライムヒル

 

12月31日(水) 晴れ

なんとなく出渋っている内に、午前11時になってしまった。

今日で1975年も終わりである。

 

今日は、道路は良く走りやすかったが、夕方から風が出て来て困った。

が、こう思うと今日は走行距離が延び、実に良く走ったと思う。

 

本年最後の走行は、快晴の中を右にワカティプ湖を見ながら始まった。

ワカティプ湖も終わるころ、湖に面してキングストンの町が美しく並んでいる。

ワカティプ湖畔からキングストンを遠望(1975.12.31)

キングストンの牧場にて(1975.12.31)

キングストン(1975.12.31)

キングストン(1975.12.31)

キングストンでは、キングストンとラムスデン(Lumsden)を結ぶ「キングストン・フライヤー号(Kingston Flyer)」が、煙を吐いて走っているのが遠くに見えた。

キングトンを後に、フェアライト(Fairlight)、アトール(Athol)、ファイブ・リバーズ(Five Rivrrs)と広々とした牧歌的な風景が続く中を走ってラムスデンに入る。

フェアライトあたり(1975.12.31)

アトールあたり(1975.12.31)

食料を買った後、走りながら左手を見るとラムスデン駅があり、そこには先ほどキングストンで遠くを走っていた、「キングストン・フライヤー号」が、今日の仕事を終えてか客車を離されて体を休めている。

キングストン・フライヤー号[ラムスデン](1975.12.31)

ラムスデンで部活関係のTに絵葉書を出した後、また羊が草を食む広大な牧場が続く中、カロリーヌ(Caroline)、ディプトン(Dipton)を通って、ここライムヒルズ(Limehills)に入る。

途中の牧場では、牧羊犬やオートバイに乗った牧童が、牧場内で羊の群れを移動させるのを実際に目にして見とれ、牧場の前で停まると子羊を含めて羊たちが興味深そうに俺の方に近付いて来る。

ラムスデンあたりの牧場。白い点は羊(1975.12.31)

ラムスデンあたりの牧場。白い点は羊(1975.12.31)

ラムスデンあたりの牧場。白い点は羊(1975.12.31)

ラムスデンあたりの牧場。白い点は羊(1975.12.31)

現在、ライムヒルズの小学校の脇にて野宿。

 

ブラッフ(Bluff)まで80kmそこそこ。

明日はスチュワート島(Stewart Island)に着くだろう。

 

現在、午後11時56分。

サマータイムのため、日本より4時間早く新年を迎えるのだが、一年前には外国で新年を、それも野宿で迎えようとは夢にも思ってもいなかった事だ。

 

今年は日本再縦断と現在のニュージーランド縦断を主として、いろいろと走った年である。

 

あと2分で新年。

俺は新年を迎えてから寝る事とした!

※「牧羊犬」については、牧童の指示のもとに「2匹の犬が羊を追い込んで移動させて

 いた」が、犬の行動とそれに合わせて移動する羊の従順さに彼と私は見とれていた。

※牧場から私達を見る子羊を見て、彼は「羊にしっぽがある事を初めて知った」と話し

 ていた。