ニュージーランド縦断サイクリング1975.12-'76.1

「行った、銀輪走(走った)、見た、知った」……そして残った/サイクリングで駆け巡った彼との45年間

 [38]スチュワート島 ⇒ ブラッフ ⇒ インバーカーギル

 

1月3日(土) 晴れ後曇り

午前8時に起床。

出港は午後1時45分、積荷は午後1時15分からと聞いたので、余裕で午前10時まで寝た後、荷物を片付けてオーバンに戻る。

 

走れる範囲は昨日 走り尽くしたのだが、オーバンに教会があったので寄り道して外観のみ見る。

教会はオーバン長老派教会(Oban Presbyterian Church)だった。

オーバン長老派教会(1976.01.03)

教会を後に、カマヒ道路(Kamahi Road)をオーバンに向かうと、左手にはトムソン湾(Thomson Bay)を前にした美しいオーバンの町が見える。

カマヒ道路から見るオーバンとトムソン湾(1976.01.03)

午後1時ごろ港に戻ると、また2人の人が「クイーンズタウンで見た」と言って話し掛けて来た。

 

予定どおり午後1時15分、愛車がクレーンで吊り上げられ、船底に行ったのを見届けて乗船。

オーバン。左の道を進むと、すぐの所にオーバン港がある(1976.01.03)

オーバン港にてフェリー「ワイルア」に積み込まれる愛車(1976.01.03)

風景を見るべく、後ろのデッキに座る。

が、フォーボー海峡の風の物凄さと冷たさには、ヤッケを着て手袋をはめていても凍えるかと思った程だが、何とかブラッフまで耐える。

デッキに居る人の殆どは、毛皮や厚いコートを着ている。

フェリー「ワイルア」から見るオーバン[ハーフムーン湾](1976.01.03)

フォーボー海峡を航行中のフェリー「ワイルア」から見るスチュワート島(1976.01.03)

フェリー「ワイルア」から見るスターリング・ポイント。右に見える白と赤の
建物は「スターリング・ポイント灯台(Stirling Point Lighthouse)」(1976.01.03)

フェリー「ワイルア」から見るブラッフ(1976.01.03)

海峡も終わり、カモメを従えたフェリーは午後3時55分にブラッフに到着し、再びブラッフの土を踏む。

 

午後4時15分、クレーンで自転車が吊り上げられて降りてきた。

そして、本当に最後の走行になる30km余りの道をインバーカーギルに向かう。

 

インバーカーギルに着き、先ずG・T・Bに行くも閉まっている。

NACも同様だったが、ドアの貼紙を見ると「正月期間の航空券の販売は、インバーカーギル空港でしか発売しない」とあるので空港に向かう。

 

空港に来たのはいいがオープンは午後8時10分とあり、まだ1時間半もあるので市内に戻り、食料を買ったりして市内をブラブラと走り、クイーンズ公園(Queens Park)に行きゆっくりする。

 

ニュージーランドの公園は どこでもそうだが、花々が美しく咲き誇り木々が鬱蒼としていて、ゆったりとした大きいものだ。

クイーンズ公園(1976.01.03)

クイーンズ公園(1976.01.03)

クイーンズ公園前の広場にて(1976.01.03)

クイーンズ公園前の広場にて(1976.01.03)

午後7時55分、航空券を購入するため公園を後にして再び空港に向かう。

 

空港のカウンターで「インバーカーギルクライストチャーチ」、「クライストチャーチウェリントン」、「ウェリントンオークランド」の航空券と3都市のホテルを予約するが、クライストチャーチ空港のインフォメーションが閉まっていたため、クライストチャーチまでの航空券しか買えず。

「他の航空券とホテルはクライストチャーチ空港で予約して欲しい」と言われ、その旨を書いたものを貰う。

 

ちなみに、クライストチャーチまでは直行便ではなく、ダニーデン空港で乗り換えて向かう便しかなかった。

 

今日はインバーカーギル空港で野宿する事に決めているが、午後9時に最終便が到着するため、午後10時半に戻る事にして市内に向かい、時間が有るので一応簡単に荷物の整理をする。

しかし、1.5kmの近さとは非常にありがたい。

 

午後11時に空港に戻る。

 

先ず、行動を共にして来た自転車を分解して輪行袋に詰め、機内持込荷物は小さいバッグおよび風呂敷に包み、その他はいつも自転車の後ろのキャリアに積んでいたバッグ詰める。

 

そして、グラウンドシートを敷いて寝袋に入り、寒さ対策としてグラウンドシートの半分を寝袋の上に掛ける。

 

輪行袋に詰められた自転車やその他を見ると、「今度こそ本当に終わったんだ」と思うと同時に、いろいろな出来事が思い出される。

 

明日の飛行機は、午前7時10分発!!

では、野宿最後のO・YA・SU・MI。

※「スターリング・ポイント灯台」については偶然に写ったもので、彼はその存在すら

 全く知らず。

 「フェリーから見えた時点でも灯台とは思っていなかった」との事で、「このブログ

 を書く際に写真を見て調べ、初めて知った」と私に教えてくれた。

 なお、彼は「先日スターリング・ポイントの名前を知ったので、今回はこれを使用し

 た」と、私に話しています。

※「グラウンドシートの半分を寝袋に掛ける」について、グラウンドシートは帆布製

 で、大きさは180㎝四方。

 彼は寒さ対策として、シートの半分に寝袋を敷いて入り、残りの半分は折り曲げて寝

 袋の上に掛けて寝ていた。

 ちなみに、彼が使用していた寝袋は「厳寒期」の仕様です。