ニュージーランド縦断サイクリング1975.12-'76.1

「行った、銀輪走(走った)、見た、知った」……そして残った/サイクリングで駆け巡った彼との45年間

[19]ターリキ ⇒ ストラトフォード ⇒ ハウェラ ⇒ バテア ⇒ ワイトタラ ⇒ ワンガヌイ

 

12月15日(月) 曇りのち晴れ

けたたましい警報機の音と物凄い汽車の轟音で、深い眠りを自負する俺も三回も目を覚ましてしまった。

 

午前10時20分に出発するも、直ぐに線路工事の人に声を掛けられる。

「今日はどこまで行くの」と聞かれ、「ワンガヌイ(Whanganui)ぐらいまで」と言うと、まるで信じられないといった様子だ。

しばらく話した後、彼は「Good travering」と言ってトロッコみたいな物に乗って行ってしまった。

 

両サイドには、いつもと同じく ずーっと牧場が広がっている。

 

ストラトフォード(Stratford)、ハウェラ(Hawera)、バテア(Patea)と大きな町が続き、進むにつれ後方に聳えるエグモント山も徐々に視界から遠ざかり、やがて姿を消す。

 

相変わらず牧歌的な風景が続き、その向こうにはタスマン海が青々としている。

 

ウェーヴァリー(Waverley)、ワイトタラ(Waitotara)、カイ・イウィー(Kai Iwi)、ウェストミア(Westmere)、オタマテア(Otamatea)を抜け、午後9時15分にタウポ以来の市となるワンガヌイに入る。

ウェーヴァリー(1975.12.15)

ワイトタラにて(1975.12.15)

カイ・イウィーにて(1975.12.15)

道路から下方に見えるワンガヌイの街。

雲も手伝ってか、暗い中に街灯が浮かび上がる様子を見ていると、何か幻想的な物を見ているような錯覚に陥る。

 

ワンガヌイの街は、ニュージーランドに入って今日までに見た市の中では、オークランドに次ぐ大きな街の様である。

 

午後からは天気も良く順調に進んだが、バテアからウェストミアまでは凄い上り下りが続いた。

 

また、ストラトフォードに入る前、フロントキャリアの芯棒の一本が溶接剥がれのため、紐で応急処置。

 

今日フィルムを4本買う。

スライド20枚撮り(3$68¢)を1本、ネガ36枚撮り(※記録なし)を1本と20枚撮り(3$44¢)を2本買うが、日本に比べ非常に高い。

 

本日は公園にて野宿。

公園というよりもレストエリア。

※「溶接剝がれの芯棒」について、彼はとりあえず紐で応急処置して走ったが、翌日に

 は工具と一緒に僅かに持ち歩いている針金を使って出来る範囲で固定を行い、この旅

 行において最後までこの姿で走った。

ワンガヌイの夜景[午後9時15分ごろ](1975.12.15)