ニュージーランド縦断サイクリング1975.12-'76.1

「行った、銀輪走(走った)、見た、知った」……そして残った/サイクリングで駆け巡った彼との45年間

[20]ワンガヌイ

 

12月16日(火) 雨

午前7時30分起床。

 

出発しようとすると、パラパラと降って来た雨が直ぐにザーザーに変わり、様子を見るべく10時に変更する。

それでも全く変わらず、なお一層 雨は強くなったので12時に変更するも、依然として変わらないため出て行く気にもならず。

 

かと言ってする事も無く、暇なので持って来た資料を見ていると、ユースホステル所在地のコピーが出て来た。

 

見ると、現在いるワンガヌイのキャッスルクリーフ(Castlecliff)に在るではないか。

直ぐに地図でキャッスルクリーフ探すと、地名はみつかるも、持っている地図からわかるのは「海の近くにある」という事だけだ。

 

最初は ここで もう一泊野宿を考えていたが、この場所には屋根はあるが あとは何も無いため、非常に寒い。

 

余りにも寒いため、すぐに身支度をして雨の中ユースホステルを求めて出発するも、どこをどう行ってよいかサッパリ見当もつかない。

ただ一つ分かっている「海の近く」という事を頭に置き、ワンガヌイ川(Whanganui River)を川下の方向に走り、あとは適当に自分の「勘」に頼って進むのだが、意外とこれが当たるから面白く、午後1時半にユースホステルを探し当てる。

 

探し当てたのは良いが、ドアには「午後5時まで開かない」と書いてある。

このため、買物やその他もろもろで午後3時まで時間をつぶしたが、する事も無くなり、残り2時間はユースホステルの裏手の雨の当たらない所で、強風の中 前にある波止場を見ながら ひたすら待つ。

 

午後5時ジャスト。やっと開いた。

アレントのおばさんに会員証を預け、1$80¢を払って2度目のユースホステル泊となる。

 

オークランドでも そうであったが、完全自炊でキッチンには あらゆる物が揃っており、材料のみあれば作るから食べるまで難なく出来る。

当然 食べ終わったら、使った物は一切を洗剤で洗い、用意してある布巾で水気を拭きとって、元のあった場所に戻しておかなければならない。

 

今日はタウポ以来で温かい食事となった。

夕食は、スパゲティと何やら自分で買ったのだが訳の分からない物を食べる。

しかし、外人は凄い。ステーキなどを食べている者もいる。しかも女性で、考えられない事である。

それに比べると、俺は何と言う粗末な飯であろう。でも、冷たい飯よりは ましだ。

考えて見るに、俺は常にジャムを持っている事に気が付く。ジャムは意外と使える物であり、持ち歩くと良いと思う。

 

ワンガヌイは雨の中 合羽を着て走ったが、走ってみても大きいと思ったほか、きれいな街だ。

しかし、写真を撮るには雨がひどすぎて とても撮れない状態であり、何か惜しい気もする。

なお、ワンガヌイの街中では傘を差して歩いている人は殆ど見ず、男性はレインコートに帽子、女性はレインコートにスカーフという姿がほとんど。

これが正しいレインコートの着方だろうか?

 

しかし、この寒さ。「日本の夏」には無い事だ。

本当に今「夏」だろうか? 実に寒い

今までの経験によると、曇天になると意外と寒くなるし、日が落ちてからは もちろん、午後6時半過ぎの日陰では、急な下り坂だと手が かじかんでくる。

 

今日のユースホステルには、英語圏以外の国の者は俺一人

ワンガヌイ市街(※2000.08.09撮影)