ニュージーランド縦断サイクリング1975.12-'76.1

「行った、銀輪走(走った)、見た、知った」……そして残った/サイクリングで駆け巡った彼との45年間

[18]ワイタンガ ⇒ アヒティティ ⇒ ウレヌイ ⇒ ワイタラ ⇒ イングルウッド ⇒ ターリキ

 

12月14日(日) 晴れ(風強し)

昨日の荒天が、今日は好天となり、嘘みたいに晴れ上がった。

ワイタンガを出発し、シダの木を見ながら未舗装の国道40号線を走る。

 

昨日もそうだったが、野生の動物が結構 目に付く。

また、牧場を抜け出した羊や牛も やたらと目に付く。

 

羊や牛は、俺を見るなり死にもの狂いで逃げに逃げる。

一頭の牛など、あの巨体をものともせず逃げに逃げた上に、何と高さ1.5mはある柵をハイジャンプして羊牧場に逃げ込み、俺は驚きで目を見張るだけだった。

 

しかし、牧場から抜け出して柵の外の道路脇にいる牛を最初に目にした時の気持ちは「怖かった」のが本音だが、意外な展開となった。

ワイタンガ付近にて。右手の道路は国道40号線(1975.12.14)

ワイタンガ付近のシダの木(1975.12.14)

アヒティティ(Ahititi)までは殆ど下りだが、アヒティティの手前約17㎞の地点から道路も舗装となり一段と走りやすくなる。

アヒティティからは国道3号線に入り、ダラダラした坂を183mまで上り、一気に気持ちよく下りきると、また いつもの緩い上り下りが続くニュージーランドの道が始まる。

 

ミミ(Mimi)あたりから その秀麗さを誇るエグモント山(Mount Egmont)が姿を現し、ウレヌイ(Urenui)では久し振りにタスマン海を見る。

ミミあたりから見るエグモント山2-1(1975.12.14)

ミミあたりから見るエグモント山2-2[2-1と同じ場所にて望遠で撮影](1975.12.14)

ウレヌイ。右手奥は久し振りに見るタスマン海(1975.12.14)

エグモント山は一旦 視界から消え、再び姿を現してからは、ワイタラ(Waitara)までは左に 以降は右に見え、両サイドには緑の牧場が広がり、遠くタスマン海も青く光っている。

 

ワイタラ(Waitara)の町に入る直前、エグモント山を背にして弱い日に照らされた、何とも言えない素晴らしい雰囲気を醸し出しているワイタラの町を写真に収める。

そして、ワイタラに入ると町並もきれいだ。

ワイタラから見るエグモント山(1975.12.14)

ワイタラ(1975.12.14)

ワイタラからイングルウッド(Inglewood)に抜けるが、これらは大きい町で、ワイタラで昼食を食べ、イングルウッドで夕食と朝食の食料を買い込み、ターリキ(Tariki)まで走って鉄道の駅で野宿。

駅と言っても「TARIKI」と書かれた掘っ立て小屋が有るだけで、ホームも何も無い。

 

しかし、エグモント山が緑の中にデンと腰を据えたように聳え立つ風景は実に良い。

※「シダの木」とはファーン(Fern)の事。

イングルウッド(1975.12.14)

イングルウッド・ターリキ間で見るエグモント山(1975.12.14)