[31]フォックス氷河 ⇒ フォックス・グレイシャー ⇒ ブルース・ベイ ⇒ モエラキ
⇒ モエラキとハーストの間
12月27日(土) 晴れ一時曇り
午前8時起床。
間もなく1台の車が氷河に向かって行き、道路の行止りで止めた車から2人の男性が降りて歩いている。
俺は残っていた食料のビスケット8枚を食べた後、キャンプの始末をする。
午前9時から氷河を見に行く。
目の前に見える氷河も、いざ歩くと意外と距離がある。
来た以上、少しでも上を見たいという欲から、小さい岩だらけの山を上へ上へと登る。
相当に上って来たらしく、下を見ると人間がマッチ棒位にしか見えない。
もちろん、近くには誰もいない。
不意にエンジンの音を耳にして何気なく空を見上げると、スキーを履いた小型飛行機が大きく旋回して飛んで行く。
俺が見た感じでは、フランツ・ジョセフ氷河よりも規模が大きく、目の前には柱状の氷塊が物凄い。
また、下からでは見る事ができないと言っても言い過ぎではない、上の方の流れが眼前にデッカク広がっている。
戻ろうとしたのが、どこでどう間違ったのか、逆に一段高い所に上がってしまった。
デッカイ岩の上に座って見るフォックス氷河は、眼前・眼下に広がり、前にもましてその迫力を一段と見せつける。
余りにも素晴らしい眺めをゆっくりと満喫して、今度は無事に下に降りる。
次いで、かねてからの夢でもあった「氷河の上に乗って記念撮影」。
しかし、氷河がこんなにも硬いものだとは知る筈もなく、予想だにしなかった。
何も知らない俺は「体がめり込んだり、氷が割れたらどうしよう」と思いながら、後ろ向きに恐る恐る「ソーッ」と足から降りる。
ある程度 硬い事がわかり、今度は足で2~3度 力いっぱい踏んで硬いと安心すると、楽に歩けるものだ。
安心してから数分間と短い時間だったが、ブラブラと歩く。
上には、山の上から氷河に乗って一緒に下って来たのだろう、岩の破片が無数に散らばっている。
氷河の上の小石を幾つか拾って、愛車の所に戻ったのは午後1時半。
何と4時間半も見ていた事になり、自分でも信じられない位だが、それだけの価値は十分あると俺は思う。
フォックス氷河を後に、亜熱帯性植物が繁る道路をフォックス・グレイシャーの町に戻る。
昨日も思ったが、フランツ・ジョセフとフォックスの両氷河に向かうにも関わらず、道路の両サイドには亜熱帯性の植物が繁っていた事が不思議だった。
フォックス・グレイシャーから ずっと平坦だった道路も、ブルース・ベイ(Bruce Bay)を過ぎると打って変わった様に、とんでもない上り下りが続き、風と雲も出て来た。
今、どの辺りに居るかは全く見当がつかないが、モエラキ(Moeraki)から相当 来た事は確かだ。
周りは森で、空には雲。
24日の事もあって、小さい橋の下にキャンプを張る。
フォックス・グレイシャー、ブルース・ベイで買物しなかったため食料は全く無く、砂糖をなめて水を飲むだけ!!
※「小さい橋の下でキャンプを張る」の「橋」について後日に調べた結果、彼は「シッ
プ・クリーク(Ship Creek)を跨ぐ国道6号線の橋だと思う」と輪行袋の中にいた私に話
した。
※「ブルースベイとハーストの間の海岸線」について後日に調べた結果、彼は「ナイ
ツ・ポイント(Knights Point)で見た風景だった」と輪行袋の中にいた私に話した。
※「砂糖をなめ」の砂糖については、19日にオタキを出る際にルイスが持たせてくれ
たもの。