ニュージーランド縦断サイクリング1975.12-'76.1

「行った、銀輪走(走った)、見た、知った」……そして残った/サイクリングで駆け巡った彼との45年間

7.写真に残る岬、崎、鼻 など

17ニュージーランド

文章については、はてなブログの別ブログ『「行った、銀輪走(走った)、見た、知った」……そして残った』で2023年5月8日に公開したものと同一内容です。

なお、この文章については、当ブログ「ニュージーランド縦断サイクリング1975.12-’76.1」から抜粋したものとなっています。

◎北 島

レインガ岬

岬に立った1974年12月1日の彼の日記には次のように書かれている。

午前6時30分起床。

午前7時、Nさんの車でレインガ岬(Cape Reinga)に向かう。これは、シケのため仕事が出来ない事から、予定を変更して送って下さったもの。

Nさん・Iさんの両氏と共に、ここNew Zealandの最北端に位置し今回の出発地でもあるレインガ岬に着く。

車から降りると風雨が余りにも強かったが、先ず辺りを見学した後、運よくあった公衆便所の中で愛車を組み立てる。

「風が大変強いため、今日も泊まって行け」とNさんから言われ、お言葉に甘える事として殆どの荷物を持って帰っていただく。

そしてサイクリングを開始。 先ずは、最先端にある灯台まで行く。

そこにある方向指示標の一つに「TOKYO 〇〇〇〇km」と あるのを見た時、改めて俺は外国に来たんだと思う。

小雨まじりの強風の中、崖の上に立つ白い灯台。                                 

下に見える南太平洋(South Pacific Ocean)とタスマン海(Tasman Sea)がぶつかり合っている男性的な光景、振り返るとテ・ウェラヒ海岸(Te Werahi Beach)の白い砂浜が見える。

※NさんとIさんは日本のT漁業の現地駐在員。

※泊めていただくきっかけは、カイタイア空港のロビーに出て来た、搭乗したカイタ 

 イア便のパイロットとスチュワーデスから話し掛けられた事で、全く訳の分からない

 会話を行った際に話の中で宿泊先について聞かれるも、野宿するつもりだったため

 『決まっていない』と答えた事が要因だと思われる。

 野宿するつもりだとは想像も出来ずに心配してくれたクルーとNACカイタイア支店

 の職員の世話で、テ・カオ(Te Kao)に居られる日本のT漁業の現地駐在員の家に泊め

 て頂く事になってしまい驚くばかり」と話し、彼は今も感謝している。

 また、「駐在員の方には迷惑がられるかもと思いながらタクシーに乗っていたが、到

 着すると逆に歓迎された事も忘れられない」」とも話している。

 ちなみに、彼は「ニュージーランド縦断サイクリングにおいては、入国から出国まで

 良い思い出しかない」と、今も当時を思い出しては話している。

1975.12.01レインガ岬

1975.12.01レインガ岬

1975.12.01レインガ岬に立つレインガ岬灯台

1975.12.01レインガ岬灯台

◎南 島

スターリン  ポイント

1976年1月1日の彼の日記より。

オーシャン・ビーチ(Ocean Beach)を過ぎ、「A FRIENDRY WELCOME TO BLUFF」の歓迎標識を右に見て、ニュージーランド最南端の町ブラッフに入る。

風は物凄く強いが、まだ早いのでフェリー乗り場を探したり買物をしたりした後、道路の続くままに風に逆らって進むと……。

「南緯46度36分54秒、東経168度21分26秒」の地点にて道路は無くなっていた。

緯度と経度を示す標識と一緒に、世界および国内の主要都市の方向指示標も付けられており、「1323km CAPE REINGA」・「STEWART ISLAND 35km」と、出発地と目的地のもある。

何時でもそうだが、こういう物を見ると「来たんだ」と同時に「もう終わりか」という寂しい気持ちも……。

1976.01.01スターリング ポイント

    1976.01.01スターリング ポイント。                          「南緯46度36分54秒、東経168度21分26秒」 地点で道は無くなる

1976.01.01「南緯46度36分54秒、東経168度21分26秒」の地点にて

1976.01.01南緯46度36分54秒、東経168度21分26秒」を示す標識

1976.01.01「1323km CAPE REINGA」と「Stewart Island 35km」の指示標

1976.01.03ブラッフに向かうフェリー「ワイルア」から見るスターリング・ポイント。
右に見える白と赤の建物は「スターリング・ポイント灯台(Stirling Point Lighthouse)」

 ※「南緯46度36分54秒、東経168度21分26秒の地点について、彼は「現在の地図にはス 

  ターリング・ポイント(Stirling Point)と表記されている」と、「ニュージーランド

  断サイクリング1975.12.-’76.1」のブログを書く際に調べた結果を私に教えてくれ

  た。

  このほか距離についても、「CAPE REINGAは1323kmから1403kmに、LONDONは 

  18912kmから18958kmに修正されている」と教えてくれた。

※「スターリング・ポイント灯台」については偶然に写ったもので、彼はその存在すら

  全く知らず。 「フェリーから見えた時点でも灯台とは思っていなかった」との事

     で、「ニュージーランド縦断サイクリング1975.12-’76.1」のブログを書く際に写真

  を見て調べ、初めて知ったと私に教えてくれた。

※なお、彼は「スターリング・ポイントの名前を知ったので、これを使用した」と、私

    に話しています。