ニュージーランド縦断サイクリング1975.12-'76.1

「行った、銀輪走(走った)、見た、知った」……そして残った/サイクリングで駆け巡った彼との45年間

[36]ライムヒルズ ⇒ ウィントン ⇒ インバーカーギル ⇒ ブラッフ

 

1976年1月1日(木) 曇り

A  HAPPY  NEW  YEAR

 

午前10時半、野宿した小学校の正門にて1976年の第一歩の記念撮影。

ライムヒルズの野宿した小学校にて1976年の第一歩(1976.01.01)

久々に手袋をはめ、ヤッケを着ての出発。

手袋は午前中に外したが、ヤッケは一日中着ていた。

 

今日は曇りで、午後からは風も出たが、道も良く上り下りも無かったため軽快に走る。

 

国道6号線をウィントン(Winton)、マカレワ(Makarewa)と進み、インバーカーギル(Invercargill)に入る。

ウィントン(1976.01.01)

インバーカーギルは大きい街だが、元日とあってか人通りは殆どなく、ひっそりとしている。

通りにはクリスマスと新年を祝うのだろう、街灯にはデッカイ蝋燭のデコレーションなどが取り付けられてある。

ディー通り(Dee Street)[インバーカーギル](1976.01.01)

ディー通り(Dee Street)[インバーカーギル](1976.01.01)

テイ通り(Tay Street)[インバーカーギル](1976.01.01)

先ず、飛行機の予約をするためNACの支店に行くが、この日は閉店。

次いでG・T・B(Government Tourist Bureau)に行く。

ここも閉まっていたが、ドアにいろいろと貼ってある紙を見ると、スチュワート島へのフェリーは1日1便で、午前8時ジャストに出港というのが目に入った。

 

明日までフェリーは無いため先を急ぐ必要もなくなり、市内より1.5kmという近さにあるインバーカーギル空港(Invercargill Airport)に寄り、NACの時刻表(Timetable)を手に入れてブラッフ(Bluff)に向かう。

インバーカーギル空港にて入手した時刻表(※2023.01.24自宅にて)

インバーカーギルから国道1号線となり、ブラッフ湾(Bluff Harbour)が左に見えてくると同時に、湾を跨ぐようにしてブラッフの街並みが見える。

ブラッフ湾を跨いでみるブラッフ(1976.01.01)

オーシャン・ビーチ(Ocean Beach)を過ぎ、「A FRIENDRY WELCOME TO BLUFF」の歓迎標識を右に見て、ニュージーランド最南端の町ブラッフに入る。

「A FRIENDRY WELCOME TO BLUFF」 (1976.01.01)

風は物凄く強いが、まだ早いのでフェリー乗り場を探したり買物をしたりした後、道路の続くままに風に逆らって進むと……。

 

「南緯46度36分54秒、東経168度21分26秒」の地点にて道路は無くなっていた。

 

緯度と経度を示す標識と一緒に、世界および国内の主要都市の方向指示標も付けられており、

「1323km CAPE REINGA」

「STEWART ISLAND 35km」

と、出発地と目的地のもある。

「南緯46度36分54秒、東経168度21分26秒」 地点で道は無くなる(1976.01.01)

「南緯46度36分54秒、東経168度21分26秒」の地点にて(1976.01.01)

「南緯46度36分54秒、東経168度21分26秒」を示す標識(1976.01.01)

「1323km CAPE REINGA」と          
「STEWART ISLAND 35km」の指示標(1976.01.01)

何時でもそうだが、こういう物を見ると「来たんだ」と同時に「もう終わりか」という寂しい気持ちも……。

 

来た時とは逆に、風に追われる様にブラッフに戻り、ちょっとフェリー乗り場に寄った後、見つけた廃屋で今 野宿をしている。

 

昨日が野宿納めなら、今日は野宿始めか?

ブラッフ港にて(1976.01.01)

今日まで走って来て、羊、牛、馬を見ない日は無かったと思うし、風景については、北島が女性的なのに対し南島は男性的という印象も受けた。

 

何はともあれ、「素晴らしい国」それがニュージーランドである。

 

明日で一応終わりであり、現在までにおいて俺の目的とした所は100%満たされたと思う。

 

サイクリングについては、スチュワート島へのフェリーの事もあり、「オーバン(Oban)経由インバーカーギルで終了」と決める。

 

あとはクライストチャーチウェリントンを見て、7日または8日にオークランドに戻る予定。

 

あと二日間がんばろう。

※「1976年第一歩の記念撮影」について、彼はニュージーランドだから行ったもので、

 この様な事は、この旅行以外では無い。

 基本的に彼自身が入った旅行の写真は殆ど無く、彼は「自転車が俺の分身だ」といっ

 て私を入れて写していた。

※「南緯46度36分54秒、東経168度21分26秒の地点について、彼は「現在の地図にはス

 ターリング・ポイント(Stirling Point)と表記されている」と、このブログを書く際に調

 べた結果を私に教えてくれた。

 このほか距離についても、「CAPE REINGAは1323kmから1403kmに、LONDONは 

 18912kmから18958kmに修正されている」と教えてくれた。