[36]ライムヒルズ ⇒ ウィントン ⇒ インバーカーギル ⇒ ブラッフ
1976年1月1日(木) 曇り
A HAPPY NEW YEAR
午前10時半、野宿した小学校の正門にて1976年の第一歩の記念撮影。
久々に手袋をはめ、ヤッケを着ての出発。
手袋は午前中に外したが、ヤッケは一日中着ていた。
今日は曇りで、午後からは風も出たが、道も良く上り下りも無かったため軽快に走る。
国道6号線をウィントン(Winton)、マカレワ(Makarewa)と進み、インバーカーギル(Invercargill)に入る。
インバーカーギルは大きい街だが、元日とあってか人通りは殆どなく、ひっそりとしている。
通りにはクリスマスと新年を祝うのだろう、街灯にはデッカイ蝋燭のデコレーションなどが取り付けられてある。
先ず、飛行機の予約をするためNACの支店に行くが、この日は閉店。
次いでG・T・B(Government Tourist Bureau)に行く。
ここも閉まっていたが、ドアにいろいろと貼ってある紙を見ると、スチュワート島へのフェリーは1日1便で、午前8時ジャストに出港というのが目に入った。
明日までフェリーは無いため先を急ぐ必要もなくなり、市内より1.5kmという近さにあるインバーカーギル空港(Invercargill Airport)に寄り、NACの時刻表(Timetable)を手に入れてブラッフ(Bluff)に向かう。
インバーカーギルから国道1号線となり、ブラッフ湾(Bluff Harbour)が左に見えてくると同時に、湾を跨ぐようにしてブラッフの街並みが見える。
オーシャン・ビーチ(Ocean Beach)を過ぎ、「A FRIENDRY WELCOME TO BLUFF」の歓迎標識を右に見て、ニュージーランド最南端の町ブラッフに入る。
風は物凄く強いが、まだ早いのでフェリー乗り場を探したり買物をしたりした後、道路の続くままに風に逆らって進むと……。
「南緯46度36分54秒、東経168度21分26秒」の地点にて道路は無くなっていた。
緯度と経度を示す標識と一緒に、世界および国内の主要都市の方向指示標も付けられており、
「1323km CAPE REINGA」
「STEWART ISLAND 35km」
と、出発地と目的地のもある。
何時でもそうだが、こういう物を見ると「来たんだ」と同時に「もう終わりか」という寂しい気持ちも……。
来た時とは逆に、風に追われる様にブラッフに戻り、ちょっとフェリー乗り場に寄った後、見つけた廃屋で今 野宿をしている。
昨日が野宿納めなら、今日は野宿始めか?
今日まで走って来て、羊、牛、馬を見ない日は無かったと思うし、風景については、北島が女性的なのに対し南島は男性的という印象も受けた。
何はともあれ、「素晴らしい国」それがニュージーランドである。
明日で一応終わりであり、現在までにおいて俺の目的とした所は100%満たされたと思う。
サイクリングについては、スチュワート島へのフェリーの事もあり、「オーバン(Oban)経由インバーカーギルで終了」と決める。
あとはクライストチャーチ、ウェリントンを見て、7日または8日にオークランドに戻る予定。
あと二日間がんばろう。
※「1976年第一歩の記念撮影」について、彼はニュージーランドだから行ったもので、
この様な事は、この旅行以外では無い。
基本的に彼自身が入った旅行の写真は殆ど無く、彼は「自転車が俺の分身だ」といっ
て私を入れて写していた。
※「南緯46度36分54秒、東経168度21分26秒の地点について、彼は「現在の地図にはス
ターリング・ポイント(Stirling Point)と表記されている」と、このブログを書く際に調
べた結果を私に教えてくれた。
このほか距離についても、「CAPE REINGAは1323kmから1403kmに、LONDONは
18912kmから18958kmに修正されている」と教えてくれた。