ニュージーランド縦断サイクリング1975.12-'76.1

「行った、銀輪走(走った)、見た、知った」……そして残った/サイクリングで駆け巡った彼との45年間

[9]プケカロロ ⇒ カイワカ ⇒ ヴェルスフォード ⇒ ワークワース ⇒ オレワ ⇒ アルバニイ

 

12月5日(金) 晴れのち曇り

快晴の中を出たのだが、午後4時ごろから雲が出始め意外と寒い一日となった。

 

先ずはカイワカ(Kaiwaka)のスーパーマーケットで買物をして、道路沿いのレストエリア(Rest area)で朝食。

朝食と言ってもパンとジャムと缶詰だけで、火は一切使わず。

ちなみに、火を使うのは夜間 ランタンの蝋燭に火を点す時のみである。

カイワカ(1975.12.05)

カイワカ(1975.12.05)

相も変わらず、向かい風と上り下りに悩まされ、両サイドに広がる風景も殆ど変化ないが、気持ちは実に良い。

 

ところで、人々の親切さには恐れ入ってしまう。

走り始めて まだ5日目にもかかわらず、日本では信じられない様な経験を幾度となくした。

脇道から車が本道に出ようとする時、本道を走っている俺との距離が 優に30mは有るにも関わらず全く出ようとせず、俺が通り過ぎてから出て来てくれたり、方向指示標の所とか分岐点で立ち止まっていたㇼ地図を見ていると、進行方向のみならず逆方向に向かっている方も車を停めて話し掛けてくれるほか、人によっては わざわざ車から降りて来て教えてくれる人もいて、本当に助かると同時に嬉しくなってしまう。

 

ヴェルスフォード(Wellsford)、ワークワース(Warkworth)、オレワ(Orewa)を通ってアルバニイ(Albany)まで走る。

走行中、前方の眼下にオレワ海岸(Orewa Beach)が目に入った時は、その美しい風景に眺めいる。

ヴェルスフォード(1975.12.05)

ヴェルスフォード(1975.12.05)

ワークワース(※2000.08.11撮影)

オレワビーチ(1975.12.05)

オレワ(1975.12.05)

ニュージーランドに入って早や一週間。

語学力ゼロの俺も少しは耳が慣れてきたのか、言っている事もほんの僅かだが理解できようになり、「Thank you」、「Ok」 または「All right」、「Yes」、「No」で殆ど通じているから進歩したものと思われる。

 

走っていて気付いたのは、集落と集落の間が20~30㎞程あるため、この間はスーパーマーケットは言うまでもなく店そのものが無いと言っても過言ではなく、集落にもない場合が多々ある。

 

「明日からストアーは休みになる」と本にあるので再び買物をして、現在 アルバニイの小学校の脇で野宿。

 

買物はカイワカで4$4¢、アルバニイで1$87¢買ったが、殆どがパンと缶詰である。

※「集落と集落」は町における集落の事で、彼は日本の様に「殆どの集落には店が有

 るのが当たり前」と思っていただけに、事情が異なることに驚くばかりだった。

 また、彼と私は「集落は20~30軒もあれば一寸した町」とも思っていた。

※「買物」について、彼は店があるたびに持っている食料を確認して対応していた。

※「明日からストアーは休み」について、当時のニュージーランドの店は土曜、日曜は

 休みだった。