ニュージーランド縦断サイクリング1975.12-'76.1

「行った、銀輪走(走った)、見た、知った」……そして残った/サイクリングで駆け巡った彼との45年間

[24]リンクウォーター ⇒ ハブロック ⇒ ネルソン ⇒ リッチモンド

 

12月20日(土) 晴れ(風強し)

午前10時半。

何だかんだとやっている内に、出発はこの時間になってしまった。

 

ハブロックは思ったほど大きな町ではなく普通の町で、何故かはわからねど期待しすぎての期待外れだった。

ハブロックから国道6号線に入り、ネルソン(Nelson)に向かって走る。

ハブロック(1975.12.20)

昨日と打って変わって強い向かい風と上り坂が多く、加えて247mのレイ峠(Rai Saddle)と379mのファンガモア峠(Whangamore Saddle)の、高さこそ低いがまあまあの峠に悩まされた、とんでもない一日だった。

 

また、ロトルア~タウポ間以来の11日振りで上着を脱いでTシャツで走るが、晴れているとは言え、風の強さで時に頭が痛くなる。

レイ峠(1975.12.20)

ファンガモア峠(1975.12.20)

ニュージーランドでもヒッチハイクが盛んなようで、相当数のヒッチハイカーと挨拶を交わす。

そして、挨拶したヒッチハイカーが車に乗って俺を追い抜く時、殆どの人が車の中から声を掛けてくれたり、中には運転していてクラクションを鳴らしてくれ、先へ進んで行った。

 

ネルソンの街も素晴らしくきれいな街だ。

 

ワイメア浦(Waimea Inlet)という、街中より少し離れた国道6号線沿いの浦にある海岸は、 それほど大きくはないが夕暮れ時の美しい砂浜で子供たちが遊んでいる姿など、まるで絵の様な光景だ。

ネルソン(1975.12.20)

ネルソン(1975.12.20)

ワイメア浦の海岸。砂浜の上に幾つか見える「小さい点」は子供たち(1975.12.20)

また、いつも思うのだが、走り始めてもう20日。

どの家の庭を見ても、 敷地一面には芝生が敷き詰められ、その上には種々の花が咲き誇っており、ゆったりとした姿は それはそれは美しいの一言に尽きる。

走りながら、こういう庭を見ているだけでも楽しい毎日だ。

 

昨日 モモランギ(Momorangi)で買った絵葉書を、ニュージーランドに来て初めて我家と友人のTとHに書く。

ニュージーランドは、これだけの限られたスペースでは とてもとても表現できない素晴らしい国で大変に困る。

明日どこかで出そうと思う。

 

現在、リッチモンド(Richmond)のメインホールの裏にて野宿。

※「運転してクラクションを鳴らしてくれ……」について、ニュージーランドのヒッチ

 ハイクもやり方は当時の日本と同じだったが、日本では同乗しているのしか見た事

 が無かった。

 しかし、ニュージーランドではヒッチハイカーが車を運転して持ち主は同乗というケ

 ースも多く、信じられない光景を目にして彼は驚いていた。

 このため、多くのヒッチハイカーが彼を見つけると、追い抜く際に「クラクションを

 鳴らしてくれる」のも可能だった。